経営者の婚活支援について

じもとホールディングス傘下の仙台銀行きらやか銀行は、結婚相手紹介サービスのIBJと提携し、取引先企業で独身の経営者などをIBJに紹介するとのことだ。

 

婚活支援を手がけることで、企業の円滑な事業承継につなげたいというが、実態は「儲かるかもしれないと思った」ということだろう。

 

金融商品の販売による手数料収入などが伸び悩む中で、人材紹介等の貸付とは異なる文脈での収益源を模索しているということになる。

 

しかし、営業担当者からすると「やってられないよ」ということにならないだろうか。取引先の経営者に「結婚とかってどうなんですか?」なんて余計なお世話だ。それに、そういうプライベートな話で切り込んでも許されるのは、エリート営業だけだろう。

 

さらに、経営者はそもそも母集団が少ない。婚活ビジネスは、婚活アプリのような「ストック型ビジネス」と結婚相談所のような「フロー型ビジネス」があるが、本件はフロー型ビジネスになる。ようするに自転車操業ということだ。

 

自転車操業なら、安定的に売上高が伸びていって損益分岐点を超えることがイメージできなければいけないが、今回のボトルネックは「取引先が増えて独身の経営者とコンタクトできること」になる。しかし、そんな前提条件が揃うとは思えない。

 

そんなわけで、仙台銀行きらやか銀行の今回の事業は、おそらく3年以内に終了するだろう(うまくいかないからだ)。IBJとしても、もっと異なる形で婚活ビジネスの販路拡大に挑むべきだ。