人生のビジョンについて

 人生のビジョン、ようするに「大切にしたいこと」については、中長期的な視野に立って考えないほうが良い。足元で自分ができること、感動したことをちゃんと言葉にして、それが永遠に続くことを心から願えるかどうかのほうが重要だ。

 

 自分の根幹には「夫婦愛」がある。奥さんと美味しい食事を食べる。一緒に自宅の中で過ごす。そういう「ありきたりな瞬間」こそが最高の贅沢だと思う。この贅沢をずっと満喫していたいと思う。

 

 そういう「身近に想像できる幸せ」をどうやって守っていくのか。どうやったら、もっと楽しくなるのか。それを「いま・ここ」で真剣に考えて、実行できるかどうか。ただそれだけのことで、大層な話ではない。

 

 ただ、身近に想像できる幸せを構成する要素はさまざまだ。健康やお金、仕事への時間配分。そういうものを常にバランス感覚をもって総覧できる状態にしておく必要がある。経営におけるダッシュボードのようなものをつくって「夫婦愛」に資する生活が実勢できているかをチェックする必要がある。

 

 必要なのは「チェック機能」であって、個別要素についての目標を達成することではない。人間はそんなに器用ではない。シンプルにすることが。目指すのは「夫婦愛」だけだ。それ以外は単なる手段である。