結婚の精神的利益:安全基地

結婚生活がうまくいく理由は「利益」であり、そのうちの一つは「精神的利益」である。そして、精神的利益の最たるものが「安全基地」だ。本記事では、安全基地とは何なのかについて検討しよう。

 

たとえば、子供をLEGO LANDに連れて行って、いろんなLEGOで遊べるエリアに着いたとしよう。両親としては、子供に「行っておいで」というだろうが、子供は「パパとママはどうするの?」と聞くだろう。

 

両親が一緒にLEGOで遊ぶこともあるだろうが、多くの場合は「近くで見守る」ことだろう。そして、これが子供にとっての「安全基地」となる。すなわち、子供にとって、両親は自分のことを100%見ていてくれて、何かあったら助けてもらえるとわかっている存在だということだ。

 

安全基地としての人間関係が存在するからこそ、子供たちは安心してLEGOに夢中になることができる。これに対して、両親が「夢中だから大丈夫そうだね」と夫婦でトイレに行ってしまい、子供がそれに気づくと、LEGOで遊んでいる場合ではないだろう。

 

このように、子供たちが見知らぬ場所で新しいことに取り組んだりする場合には、何かあったら助けてくれると信じられる人間関係が必要になる。そして、これは大人にも当てはまることなのだ。すなわち、自分が目標に向かって努力したり、新しいことに挑戦するときに「大丈夫だよ」と励ましてくれるパートナーがいれば、頑張れるということだ。

 

これに対して、自分が挑戦したいことについて話したときに「何をバカなことを言ってるの?」と言われたり、失敗したときに「だから言ったじゃない」と怒られてしまうようなパートナーであれば、どこかで頑張ることをやめてしまうかもしれない。常に不安と隣り合わせでの挑戦になってしまう。

 

まとめよう。新しいことに取り組んだり、目標に向けて努力するときには、そんな自分に「大丈夫だよ」と言ってくれて100%見守ってくれるパートナーが必要になる。そして、そういう関係のことを「安全基地」といい、これこそが結婚がもたらす精神的利益の最たるものなのである。

 

しかし、夫婦は往往にして互いに「安全基地」としての役割を果たせていないことが多い。では、どうすれば「安全基地」としての機能を互いに果たすことができるのだろうか。この点については、別の記事に譲ることとしよう。