結婚の「満足」と「不満足」

 誰しもが幸せな結婚生活を送るためには何が必要なんだろうと考えます。では、「幸せ」になるためには、何が必要なのでしょうか。

 

 まず、「幸せ」になるためには2段階あります。第1段階は「不満がないこと」。第2段階は「満足すること」です。当たり前だと思うかもしれませんが、実は、このように考える人は少ないのです。一体、どういうことでしょうか?

 

 多くの人は、結婚に対する満足感を、「満足 ー 不満足」という一つの次元でとらえています。たとえば、収入が低いと「不満足」ですが、多くなると「満足」だということです。しかし、実際には違います。収入が多くても、結婚生活に「満足」していない人はたくさんいます。

 

 本当は、こう考えるべきなのです。すなわち、結婚生活に満足するための条件と、不満足をもたらす原因とは別個のものだということです。だから、結婚に「不満」を感じたら、その原因について考えるべきですし、結婚に「満足」したいならば、それとは別のことを考える必要があるのです。

 

 では、具体的には「不満」と「満足」を決めるものは何なのでしょうか?ここでは、主な項目を具体的に列挙してみることにしましょう。

 

【満足の条件】

①達成:結婚生活で何かを成し遂げるという達成感を体験する

②承認:自分のやっていることが結婚相手から認められたとき

③成長:結婚生活を通じて自分の成長が実感できたとき

【不満足の原因】

①分担:家事の分担が不公平である

②生活:世帯収入が低い

③関係:不健全なコミュニケーション

 

 たとえば、夫の収入が低いにもかかわらず、彼が家事をやってくれないとすれば、妻は「不満」を感じるはずです。それでは、収入が高く家事も負担してくれる夫であれば「満足」でしょうか。そうではないのです。「ちゃんと稼いでるし、家事もやってるんだから文句言うなよ、幸せだろ?」ということにはならないのです。

 

 これは、言われてみると当たり前のことですが、多くの人が見逃しているのです。すなわち、収入の多寡や家事分担だけが夫婦の問題ではないのです。私たちが結婚生活に「満足」するためには、別の条件が必要なのです。