夫婦で話すということ

先生:さて、今日はどのようなご相談でしょうか?

明子:先日、久しぶりに大学時代の友達と会ったら、つい最近、離婚したんだそうです。

先生:そうですか。混みいった話になりそうですね。友達のお名前は?

明子:亜美っていいます。すごく仲良くしている友達なので、なんだか切ないです。

先生:そうですね。結婚相手については、明子さんは知っていたのですか?

明子:ええ、結婚する前に、亜美が紹介してくれたんです。隆さんだったかな?いい人だなって思ったんですけど。

先生:亜美さんは、隆さんについて、明子さんに何か話をしたのですか?

明子:そうですね。ここ1年ぐらい、亜美は一人暮らしをしてたって言ってました。

先生:一人暮らしですか?

明子:隆さんがいつも深夜帰りで、休日も仕事をしていたので、話が全くできなかったそうです。

先生:そうだったんですか。そのことについて、亜美さんはどう思っていたのでしょうか。

明子:亜美は話がしたかったんです。でも、時間を見つけて話をしようとしても「今は仕事が大事だ」っていうことになってしまったみたいで。頑固な人だったみたいです。

先生:頑固ですか。

明子:でも、それって頑固ってことじゃないと思うんです。単純に、明子のことを理解するつもりが無かったんじゃないかな。

先生:どういうことでしょうか?

明子:だって、本当に好きな人がSOSを出してたら、大変だって思って助けるんじゃないですか?

先生:たしかに、亜美さんは二人の関係についてSOSを出していたのかもしれません。

明子:結婚するって、この人と家庭を育もうっていうことだし、子供を産むことも意識はするわけじゃないですか。そのときも、いざ子供を産んだときに、彼が助けてくれるかどうかはすごく大切なことです。

先生:赤ちゃんの世話をしてくれるかどうかが大切なんですね。

明子:いや、赤ちゃんの世話だけじゃないんです。そうやって助けてくれるということが、私のことも見てくれてるっていう安心感にもつながるわけだし。

先生:家庭を育むためには「今は仕事が大事だ」では片付けられないことがわるわけですね。

明子:亜美は、彼が仕事に没頭して自分の話を聴いてくれないのを見て、この人と「家庭」を育むのは無理だって思ったんじゃないかな。

先生:お金があれば良い、ということにはならなさそうですね。

明子:そんな気がします。亜美だって離婚したくなかったんだと思うし。でも、それぐらい重要なことなんです。自分のことを大切にしてくれる人と一緒じゃないと、家族にはなれないですよ。

先生:そうですね。今日はこれで時間になってしまったけれど、今日は明子さん自身の話ができていませんね。だから、次回は明子さんにとっての家族について考えてみましょう。

明子:そうですね。私もいい結婚がしたいです。

先生:大丈夫、自分にとって素敵だと思える男性をまずは思い描きましょう。話はそこからです。

明子:そうですね。またすぐきます。今日は愚痴みたいになってすみません。

先生:いいんですよ。それでは、また次回に。